ネット広告指標としてのインプレッション数とユニークユーザ数

| | コメント(8)

インターネット広告の価値指標としては、主に次の3つが用いられています。

 1.インプレッションまたはページビュー (露出)
 2.クリック (行動)
 3.コンバージョン (結果)

Yahooをはじめとした各種ポータルサイトやSNSでは、主にインプレッションが広告指標となっています。
インプレッションをベースに広告スペースを販売する際には、

 1.期間課金 (参考インプレッション数を提示)
 2.インプレッション保証
 3.インプレッション課金

最も伝統的なものが1の期間課金です。
1週間いくらで売ります、実際のインプレッションはどうなるかわかりませんが、
今までは大体このくらいは見られていますよ、という売り方になります。

今は大手媒体はほとんど2のインプレッション保証になっています。
インプレッション保証では絶対に越える自信がある数字を提示して売ります。
最低100万PVは行きます、という売り方です。
保証PVを越えると自動的に出稿が止められるものもありますが、
この場合はインプレッション課金になるかと思います。

3のインプレッション課金は、あらかじめインプレッション単価を設定して売ります。
インプレッション単価自体は、どのような形態であてっても、
広告指標として計算して評価するのが一般的です。
インプレッション課金は1回表示される毎にいくらかかります、という売り方で、
上限金額を設定した上で、何回表示させるかを広告主側が制御することになります。
上限まで表示されると出稿が停止します。

インプレッションは見せることを重視した、バナー広告の指標として用いられます。
見られる回数で、媒体は評価されます。
この伝統的な指標の問題は最近いろんなところで指摘されています。
例えば、画面遷移が大量に発生するようなインターフェースにした方が有利になるわけです。
どれくらい見られているか(時間)、ではなく何回見られたか(回数)なので、
一瞬で移動されるような中間的ページも、内容の詰まった記事も同じ価値として表されます。

というようなこともあり、じゃあ代わりに何を使うのか?という話に当然なります。
イギリスでは、ユニークユーザ数(通称UU)を広告指標にしようという動きがあるようです。

メディア・パブ:ページインプレッションを不採用,英国のネット広告で

英ABC Electronicは,インターネットの広告効果指標として,ページインプレッションの代わりにユニークユーザー数を利用すると発表した。ネット媒体のユニークユーザー数は紙媒体の発行部数に相当するという。ページビュー(ページインプレッション)が実際の利用回数と乖離し始めていることもあって,広告効果の点ではユニークユーザーの方が妥当と見たのだろう。

紙媒体と対照して比較するならば、確かにユニークユーザ数は発行部数に当たるでしょう。
でもそもそも紙媒体と比較すること自体がおかしいと思います。
紙媒体は消費者の購買行動が数字に結びついているわけです。
# 最近はフリーペーパーが増えていますがここでは置いておいて
明らかに消費者は媒体に価値を感じている、評価しているから、お金を払って見るのです。

ネット媒体の場合は全然違います。
検索で一番上に表示したから見てみる、いつも見ているブログからリンクされていたので見てみる、
ユーザは初訪の段階ではまず価値を感じていません。
にもかかわらずユニークユーザ数という数字は1カウントアップされるのです。

ユニークユーザ数が価値指標になると、インプレッションの時とはまた別のところで不合理な争いが始まると思います。
おそらくSEM(SEO+キーワード広告)上の競争は今以上に激化するでしょう。
とにかくなんでもいいから1回来てくれればいいのですから。

それとユニークユーザ数は集計期間によって数字が変わるのも難しいところです。
1日のUUが10、1ヶ月でいくら?
3100ではありません。一般的にずっと小さくなります。リピータがいるわけですから。
どの期間を価値指標として採用するかで、相対的な評価が前後します。
1日のUUで比べるならmixiの方がYahooより上だけど、
1ヶ月のUUで比べると逆にYahooがmixiより上だ、ということが起こるのです。
んでもって1ヶ月のUUを、堂々と「1日のUU×31」と言ってるところが出ます。必ずw

じゃあ何にするんだよ?
滞在時間ですね。テレビCMだって視聴率(時間帯)×CMの長さで価格が決まるわけですよね。
ユーザの合計滞在時間で評価すればいいんじゃないでしょうか。

RSS経由のユーザを価値に含めるためにトラフィックにすべき、という話もありますが、
ロボットによるクロールのトラフィックは半端ないので、普通の閲覧者との相関が歪んでしまうように思います。

コメント(8)

wiz@_( (_´Д`)_ :

精度を高めれば、当然単価も上がるよね。
んで、そうなると、アボセンスみたいに、一方的な解約でしかも未払い金没収とか、
そういうシステムも何とかしないといかんかなと思ふ。

代理店経由だと、広告を置いてあげる側にやたら不利な契約になっていたりするけど、
その辺りも改善されないとダメだよね。

理想的には、代理店経由と、直接出稿依頼するのとで、同じ広告効果が得られる、
というのな訳で、何億というwebサイトを回って出稿依頼をしていくのは、
明らかに非効率的だから、代理店がきちんと機能しないとね。

顧客獲得で登録し放題な上に、広告出稿の自動承認みたいなシステムは、
まさに癌と言うべき存在かと思うけどどうよ?

代理店は手数料を取ってるんだから、公告出稿側の審査基準を聞いておいて、
あるていどのカスサイトはきちんと排除、その上で、のこったものは、
出稿側がきちんと判断して承認するか決める。

というのをきちんとやらんといかんと思うのよね。その辺りに関してはどうでしょうか?(この代理店は、
そういうことをきちんとやってるぞとか)

_( (_´Д`)_そんな感じで。

eclipse :

ヘッドなポータルなんかに出稿する場合と、
テールなブログなどの出稿とでは扱いは全く違いますよね。
テールに直接出稿依頼は手間がかかってありえませんね。
ヘッドなブログであれば直接依頼もありですね。そういうのやってみたいな。

ヘッドに関しては媒体によりけりです。
代理店が扱っているようなそれなりの媒体であれば、代理店経由にした方が良いと思います。
媒体直接だと軽くあしらわれそう。代理店の方が客の扱いは丁寧なはずです。
あと基本媒体社は必死で売る必要性がないので、代理店経由の方が逆に安くなる可能性は高いと思います。

ネット広告業界で代理店というと一般的には営業会社のことになると思うんだけど、Googleなどの仲介システム提供者を指している?

出稿審査というのは、広告主側か媒体側かどっちのことでしょう。
AdSenseのようなシステムがマッチングさせてる広告の問題ですよね。
広告主側としては「こんな媒体に出さないで欲しい」という意見があるだろうし、
媒体側としては「こんな広告載せないで欲しい」と思いますよね。

wiz@_( (_´Д`)_ :

そうだな。逆審査もありだよな。

とりあえず、

宣伝したいものを持ってる人とか会社 -> 代理店 <- 広告スペースを提供できる人や会社

という感じです。

んで、Adsenseみたいにほっとんど制限できないようなシステムって、
ターゲット精度とか下がるし、よくないよね、みたいな感じです。

以下、
 宣伝したいものを持っている方 = 出稿側
 広告スペースを提供できる方 = 宣伝塔
と書かせてもらうとしよう。

んで、まず第一に、出稿側は宣伝塔を厳選しないといかんと思う。
全自動とか半自動的に代理店が承認を出して、どの宣伝塔も同じ扱い、てのは、
広告効果を悪くする一方と。

で、逆に、宣伝塔も、きちんとしたジャンル指定で出稿側を探せるようにしないと、
手当たり次第に出稿側に「広告してあげるよ」と言いまくって、
審査コストを上げてしまうと。

なので、代理店は、
  1 広告塔の効果を数値などのわかりやすいもので評価できるようにする
  2 出稿側が出したい広告を、宣伝塔が探しやすいようにする
を、きちんとやらんといかんと思う。

1については、(代理店専用の)アクセス解析を入れて、ビジターやPVをチェックすると共に、
サイトで頻繁に使用されている単語ベスト10を、出稿側が検索とかで見れるようにしたり、
サイト内の単語やreferer等から、ビジターがそこにどんなものを求めて来ているのかを、
機械的ではあるけど表示できるようにしないといかんと思う。

2については、出稿側が大量に表示されると手当たり次第になってしまったりするので、
まず、1で挙げた情報などを基に、適していそうな出稿側に絞って探せるようにして、
更に、ジャンル分けなどをきちんと適正に保つようにして、出したい広告を広告塔が探しやすいようにしないといかんと思う。

それ以外の点として、広告塔の広告効果をきちんと評価出来るようにしないといかんかなと。
そのためのシステムもきちんと用意しないとね。

例えば、滞在時間をきちんと計れるようにして、それを基に広告塔の品質を算出するとかいろいろね。

求人システムとかでも同じだけど、結局、仲介システムが、ごみためのような感じに、
ただ大量の情報をためて見せるだけ、だと、個々の情報の重要性とかが評価されなくなっちゃうのよね。
Adsenseだと、Googleが独断と偏見で決めるプレミアかそうでないかの二段階だけで、
それ以外の情報は出稿側にも広告塔にもわからないようになっているけど、
それじゃぁ、広告効果を高める、ということができないと思うのよね。

広告効果を高めるには、現在どういう状況なのかを知る指標が必要になるし、
それは自動でやらないととても人手では出来ないんで、きちんとしたシステムをどこか作んないのかナァと。

せっかくのインターネットだけど、でか過ぎて人手におえないんで、
きちんとシステムを整えないと、結局たいして生かせないよね。

eclipse :

広告主が能動的に選んで出稿する価値のあるサイトの割合は非常に低いです。
現状ではそういう便利なシステムを作ってもあまり効果を発揮しないのではないかと思います。
そもそもAdsense単体で収益上げてるとは思えないんですが・・・
ロングテールとかほんと眉唾っす。

ブログと広告って相性悪いよなぁと思う今日この頃。
広告収入が欲しかったら広告を貼ることを前提としたサイト設計をするのが一番だと思います。
広告をコンテンツにしてしまうか、でなければ大量のトラフィックかき集めるしかないんじゃないかと。
比較サイトとか、アフィリエイトでかなりの収益上げてるところもありますね。

wiz@_( (_´Д`)_ :

全webサイト数に占める、広告効果のあるwebサイトというのは当然少ないんだけど、
少ないからこそ、それを効率よくマッチングさせて、かつマッチングの
両端の数を増やすってのは必要なんじゃないカナ?カナ?とか。

ユーザの嗜好がある程度定まったアクセスを持っていても、広告掲載とかを、
めんどくさいとかそういう理由でやってないところも結構あると思うんで、
それをきちんと利用できるようにすると、良いのではなかろうかと思ったり。
めんどくさいからAdsenseってところは、大してマッチしてなくて、
せっかくの広告チャンスを無駄にしてるとしか思えないし…

そこらにごろごろ転がってるblogサイトとかは、そもそも月に数十円とか、
その程度なのは当然な訳だけど、ある程度のレベルに達しているサイトには、
それなりの対価を払って広告してもらうのが良いんじゃなかろうかと。

そんな時に、広告を貼る側は、いちいちリンク作ってどうのこうのとか、
そんなことはやりたく無い訳だけど、かといってAdsenseみたいにちっともマッチしないのも、
問題な訳で、きちんとジャンルを絞って出せるようにしないとという感じ。

一方の広告を出稿する側も、広告効果の高そうなところに出したい訳で、
Adsenseみたいに、マッチしないサイトにバカスカ出るようじゃ、
あんまいみなくね?みたいになっちゃうし、という感じ。

テレビCMは確かに広告効果は高い(非常に多数の人へのアピールが可能)んだけど、
興味の無いCMと何度も繰り返し見たCMが大半を占めるせいで、
広告をすっ飛ばしたい、という人が非常に多いのもまた事実かと思う。

興味のあるジャンルの広告に絞って見せてくれて、かつ、
同じ広告を何百回もダラダラ出さないようにしてくれるのが、
良い感じに思うナァ。

あとは、ユーザのレベルに応じた広告ってのもありだと思うんだよね。
正直、無知な人向けの広告とか見ても、心惹かれないしね。
「いんてる せんとりーの てくのろじ とうさい」だとか、
そんなブランドをかざす広告ばかりやられても、
はいはいそうですか、広告ウゼーってなる訳で、そんなもん見せられるよりは、
製品名+簡単なスペック一覧+売りどころ(ここがこの製品のウリ)ってのを、
見せてくれた方が役に立つんだよね。

単により多くの人に見せようという広告は、結局の所内容の薄い広告になっちゃうんで、
PGが集まるサイトの広告なら、上に書いたようなPCや周辺機器の広告の方が、
効果高い希ガス。

という感じです。_( (_´Д`)_

#ちなみに、広告収入で儲けようなんてのは、そもそも多数の人ができる訳が無い話なので、
#当然世の中の大多数のサイトは無理って話、という感じです。

#システム的には、例えば15秒以下をカウントしない前提で、あるユニークユーザに対して、
#5分間分(15秒×20回、分)出したら、もうそのユーザには当分その広告は出さないとか、
#あるいは、上記の方式で時間数をカウントして、時間が増えれば増えるほど、
#表示確率を下げていくとか。

eclipse :

毎度レス遅くてすみません

テールを狙うのであれば、媒体ごとにクリック単価入札制のシステムとかは欲しいかも。
コンテンツマッチよりはずっとマシだと思います。
期間課金の方がいいけど、今すぐ出稿ができないとお手軽感がないんですよね。
ついでに直リンクだとなおさらグッド。業者じゃなくてもSEO外部対策ができるようになるので。
こういうのをやるとしたらブログ会社になりますね。キーワード広告はやってるところあるし。

ユーザのレベルに応じた広告、と言うのは
最近ホットな行動ターゲティングですかね。
検索エンジンの履歴使えばそれなりにできそうですね。
そのうちGoogleあたりがはじめそうな気はします。


>もうそのユーザには当分その広告は出さないとか、

そういう合理的な仕組みのが普及しない最大の要因は、
本当の意味での広告効果を期待してるのが視聴者と広告主という
システムとは直接関わりのない人だからですね。
媒体と代理店は余計なことしたことで自分たちの売上減らしたくありませんから。

wiz@_( (_´Д`)_ :

忙しいときは忙がしいっさ。

とりあえずあれよね、世の中一度に変わりづらい上に、
周りの目ばかり気にしたり、事なかれ主義な日本だと、
広告主がいっせいに、ダラダラ同じCMを何度も流して、
料金ぼったくってるのは問題じゃぁ、と、蜂起しないよ( ´・ω・)(・ω・` )ネー

権力とか常識みたいな裏づけがあると、それがどんなに間違っていても、
間違ってるよ、と指摘できず、指摘したら頭おかしいんじゃない、とか、
非国民みたいに見られるようじゃダメだよ( ´・ω・)(・ω・` )ネー
と。

今ある広告システムを否定すると、しばらく広告が出せない=大損失、とか妄想して
何もしないんだろうけど、否定してある程度の広告機会を失ったとしても、
何倍も費用対効果が高く、しかも効果量が飛躍的に大きなものができれば、
実際には得になるのにね。(広告主にとっての話だけど)

ま、何にせよ、そういった「進化」のタネが芽生えない世の中になっちゃったんで、
このまま、停滞の後大暴落、って感じでしょうか。

ま、そんな感じで。_( (_´Д`)_

eclipse :

インターネットは比較的、合理的な弱肉強食の世界なので
求められているものが広まるのは時間の問題だとは思います。
Googleはロングテールを相手にしてるのでそういう企業ですよね。

このブログ記事について

このページは、yuchが2006年12月 9日 10:43に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「RadRailsの日本語化」です。

次のブログ記事は「URLに拘るキモイ奴の言い分を聞いてくれませんか」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.01