エレガントな宇宙

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エレガントな宇宙 -超ひも理論がすべてを解明する-
ひも理論の一般向け読み物です。

日本語で「ひも」と言うとなんかいまいちなニュアンスで、
英語の「string」の方がしっくりくるような気がします。
ひも理論とは、物質の最小単位は全て1次元の「ひも」である、という理論です。
素粒子は点ではなく1次元のループであると。
そして素粒子の性質を決定しているのはひもの大きさと振動パターンです。
古典的な量子力学、一般相対性理論では最小単位は0次元の点として扱っていますが、
そこをまず変えることによって、いろいろ面白い話が出てきて、
厄介な問題がけっこう丸く収まるものらしいです。
現在ではひも理論はさらに発展してM理論という統一的な大枠に組み込まれています。
このM理論では1次元ではなく、空間の全ての次元に拡がりを持ちうる、ということになっています。


ひも理論が現れることになった背景は、
現代物理学の基礎である量子力学と一般相対性理論を統合した時に発生する問題にあります。
離散的に記述される量子力学と連続した湾曲面で記述される一般相対性理論は相入れないものです。
これが絶対に必要となるのがビッグバンとブラックホールで、
体積ゼロで密度無限大の特異点を除去したいという具体的な要求があったわけです。

量子論や相対論を初めて知ったときの奇妙な興奮をこのひも理論でも味わえると思います。


ひも理論とは直接的には関係ありませんが、ブラックホールの中は別の宇宙だという説が出てきました。
量子論の多世界解釈ほどのインパクトはなかったけど、これもなかなか面白い考えだと思います。

スモーリンは、ビッグバンのときの条件とブラックホールの中心の条件との類似性-どちらも莫大な物質密度を特徴とすること-に示唆を得て、ブラックホールはどれも新たな宇宙のたねだと唱えている。 そこから、ビッグバンのような爆発で新たな宇宙が誕生するが、ブラックホールの事象地平のせいで私たちの視界からは永久に隠されているのだ。 スモーリンは、多宇宙が生じるメカニズムを新たに唱えるにとどまらず、人間原理と結びついた科学上の制約をうまくかわす新たな要素-遺伝子の突然変異の宇宙版-を持ち込んだ。 こう想像しよう。宇宙がブラックホールの核から生まれるとき、その物理的属性、すなわち粒子の質量や力の強さといったものは、親宇宙のそれに近いが、まったく同じではない。ブラックホールは、燃え尽きた星から生まれ、星の形成は粒子の質量と力の強さに依存するので、ある宇宙の増殖力-その宇宙が生み出しうるブラックホールの数-は、こうしたパラメータに強く左右される。

コメント(8)

wiz :

ひも理論てか、超ひも理論とかいうのがIMIDASだったか現代用語の基礎知識だったかに
載ってた気がしたなぁ。あと、wikipediaだか何だかでも見たような気が・・・
でも、宇宙の全ての現象が10次元くらいのひもの運動で説明できるって内容だった気が・・・
まーいーんだけどね。

まーなんつか、宇宙の大きさが∞じゃなくて有限であると仮定すると、
ある軸(きっと時間軸だろうな)が無限大の大きさを持つ空間に、全ての軸が有限の宇宙はいくらでも詰め込める。
つー話になってアレ。ま、考えるだけなら只な訳です。
ひらめけばどんな奇天烈なアイデアつか理論でも面白ければ話題になると。
どうせどれが事実かなんてすぐには分かんないんだから、いろいろ面白いものを考えた方が楽しいのですよ。

>でも、宇宙の全ての現象が10次元くらいのひもの運動で説明できるって内容だった気が・・・
>まーいーんだけどね。

何か私が間違ったことを言っているかのような言い方ですが、
具体的に指摘してくれないとわかりませんよ。
ひもの概念を10次元まで拡大したのがM理論です。
それはひもとは呼ばず、n次元であればnブレンと表現します。
ひも理論はM理論の1ブレン限定版みたいなものです。
ちなみにひも理論の空間次元は9でM理論の空間次元は10です。


>ある軸(きっと時間軸だろうな)が無限大の大きさを持つ空間に、全ての軸が有限の宇宙はいくらでも詰め込める。
>つー話になってアレ。ま、考えるだけなら只な訳です

スモーリンの仮説について言ってるんですかね。
この説や多世界解釈に私が何故興味を持つかといいますと、
この宇宙と自分という思考する人間の存在を少ない条件付けで説明できるからです。
私が大嫌いな「偶然」という最終兵器を用いることを回避しているからです。
ただ単純に宇宙はいっぱいありますよ、ていう説ではありませんよ。
創造者を否定したいならこういったタイプの仮説に拠るのが最も合理的かと思います。

wiz :

>何か私が間違ったことを言っているかのような言い方ですが、
ああ、スマンです。なんかそんな話を聞いたというか見た気がしたんで書いただけデス。
どうやらM理論の話だったようで。
つか、9次元とか10次元て、軸はどうなってるんでしょうか?難しくなさそうならよろしくです。
縦横高さとかそういうのとはぜんぜん違うのかしら。

>この宇宙と自分という思考する人間の存在を少ない条件付けで説明できるからです。
詳しい説明希望です。「自分という思考する人間の存在」てのはどういうモノ(≠物)なんでしょうか?
人間の思考がどこに存在してるかって話でしょうか?<それがわかれば他人の考えが覗けるとか

>つか、9次元とか10次元て、軸はどうなってるんでしょうか?難しくなさそうならよろしくです。
>縦横高さとかそういうのとはぜんぜん違うのかしら。

超ひも理論: 9=3+6
M理論: 10=3+6+1
ですが、M理論の+1次元はちょっとわかりません。
6次元は空間次元で人間が知覚できる3次元と同じようなものですが、
ミクロレベルで巻きつけられた次元なので知覚できません。
巻きつけられた次元というのは直感的にわかりにくい概念なのですが、
エレガントな宇宙の中では一次元の広がった次元+一次元の巻きつけられた次元
を持つ2次元宇宙を例に単純化して説明されています。
この2次元宇宙をホース、ホースに乗っている蟻を宇宙内の物体と見立て、
巻きつけられた次元がミクロな場合、つまりホースの断面の半径が非常に小さい場合、
蟻は2次元宇宙にいながらも1次元しか知覚することができない、といった感じです。
人間が知覚可能な3次元が巻きつけられていない次元とは言えず、
もしかしたらマクロレベルで巻きつけられているのかもしれない、ともありました。


>詳しい説明希望です。「自分という思考する人間の存在」てのはどういうモノ(≠物)なんでしょうか?

宇宙が、今私が認識しているものが全てだとしたら、
何故このような宇宙が存在しているのかを説明することができません。
地球が生まれる確率、生物が生まれる確率、人間が生まれる確率、今思考している私が存在する確率…
それを必然とすることができなければ説明になりません。
偶然で片付けるのは神を仮定するよりもずっと大規模な思考停止ですよ。

wiz :

>エレガントな宇宙の中では一次元の広がった次元+一次元の巻きつけられた次元
んーつまり、ホースの長さ方向が広がった一次元で、円周というか側面というか方向が巻きついた1次元て話しかな。

>ホースに乗っている蟻を宇宙内の物体と見立て
ホースに乗ってるということは、ホースの側面方向に垂直な軸があるってことっすかね?
ホースの側面と完全に同化している(要するに絵)として考えると
まあ何とか納得な話なんですが、そもそもそんなに短い軸(側面方向を
巻きつけられた次元と解釈しての話)は無視できたりするんじゃないかなという気がします。
人間が走ってる時の運動で特殊相対論使わないでニュートンが使える理由みたいな感じで。
無視した方が式とか簡単になりそうな気がするんでなんかアレ。

とりあえず、点は位置だけを持つ、ではなく、表面積があったりいろいろするって
考えようって話ってことで理解しときますです。

>それを必然とすることができなければ説明になりません。
まあ要するに、物理状態の固有値に含まれていて、かつ、確率が最大だからでわ?
そ~いや、物事が全て生起確率を持つと仮定して、その確率が0.5,0.5なる
2つの事象A,Bがあるとして、Aが起きるとかBが起きるとかが決まるためには
何かのきっかけが必要だと思うんだが、必要ないんでしょうかねぇ?

>んーつまり、ホースの長さ方向が広がった一次元で、円周というか側面というか方向が巻きついた1次元て話しかな。
そうです。

>ホースの側面と完全に同化している(要するに絵)として考えると
そういうことです。ちょっと表現が良くありませんでした。

> まあ何とか納得な話なんですが、そもそもそんなに短い軸(側面方向を
> 巻きつけられた次元と解釈しての話)は無視できたりするんじゃないかなという気がします。
巻きつけられた次元の半径が非常に小さくなれば、
それを無視できないということですが、それが何故かまではわかりません。

>まあ要するに、物理状態の固有値に含まれていて、かつ、確率が最大だからでわ?
ちょっとよくわかりません。

>2つの事象A,Bがあるとして、Aが起きるとかBが起きるとかが決まるためには
>何かのきっかけが必要だと思うんだが、必要ないんでしょうかねぇ?
必要です。
それを偶然として思考停止すべきではないと考えます。
AとBがどっちかしかない、というならばその理由が必要です。
どっちもある、についても別の理由が必要かもしれませんけど、それはまたレベルの違う話だと思います。
物理レベルでは「どっちもある」か「どっちかのきっかけ」という説明が、
「とっちか」に勝っていると考えます。
そしてブラックホール多宇宙論(というかは知らないが)は進化論的に説明することで、
「無限にある」から「この宇宙がある」に至る近道を示していると思います。

wiz :

さすが大型連休だな<w

>ちょっとよくわかりません。
んーと、自分が存在するってのは、量子力学で言うと、
物理状態の固有値(観測される物理量)に自分が含まれていて、
しかもそれが最大の確率を持っているため、ではないかなと
いう話です。確率が同じ物があったらどうするのとかそういうのは
聞かないでくださいませ。

>必要です。
ということは、そのきっかけとなるものは、やはり何らかの
事象(黒猫が横切ったとか、蝶が羽ばたいたとか、温度が
変化したとか、etc...)な訳で、それらも確率的に起きる訳で、
そう考えていくと、結局世界の始まりは世界の終わりを決定
できるって話になる気がする。
事象Aが起きるきっかけってのは、そのきっかけが起きることを
知ることができれば、事象Aが100%起きるってことを示す訳で、
そのきっかけは0以上の事象からなっているので、やはり
ここの事象に対して確率を持ち、それが起きるきっかけがある。
なので、最も最初のきっかけは確率100%な確率で起きる事象
な訳で(確率100%でなくとも、世界は始まっているので、
そのきっかけは結果として知りうる=100%になる)、結局は
世界は一つという話に?
つわけで、結局人間のやってることは例の囚人が恩赦を
受けられるかどうかって話とおんなじか。ニヤニヤ

ひも理論てのはそういう話だったというのがなんとな~く
わかったというか知った。thx

> そう考えていくと、結局世界の始まりは世界の終わりを決定
できるって話になる気がする。

私は今のところ決定論者ですが。

>そのきっかけは結果として知りうる=100%になる)、結局は
>世界は一つという話に?

それって確率解釈では?
もともと確率解釈は世界が複数あるとは主張していなかったと思いますが。

あとわかってると思うんだけど一応言っておくと、
ブラックホール多宇宙論も世界が複数あるとは一言も言ってませんので。

このブログ記事について

このページは、yuchが2005年4月27日 22:31に書いたブログ記事です。

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